ZIPのパスワード設定と送るときの注意点

ZIPにパスワードを付ける方法を、無料ソフト7-Zipの手順でご紹介します。Windowsの標準機能では付けられない理由、暗号化方式AES-256の選び方、ファイル名を隠す7z形式、パスワードの決め方、別の方法で伝える理由、送る前の確認事項、受け取るときの注意まで、都城市のパソコンサポーターゼットが分かりやすく解説します。

大切なファイルをメールで送るとき、「ZIPにパスワードを付けて送るのが安心」と聞いたことはありませんか?ところが、いざ試そうとすると、「パスワードを付ける場所が見つからない」「Windowsの標準の機能では、できないらしい」と、戸惑う方が少なくありません。

しかも、パスワード付きZIPをメールで送る方法には、意外な落とし穴があります。この記事では、パスワード付きZIPの作り方(無料ソフトの7-Zipを使う方法)と、送るとき・受け取るときの注意点を、順番にご紹介します。2026年10月時点の情報をもとに、都城市のパソコンサポーターゼットがまとめました。

パスワード付きZIPで「できること」と「できないこと」

ZIPは、たくさんのファイルを1つにまとめる形式です。ここにパスワードを付けると、中身を取り出すときに、パスワードの入力が必要になります。ファイルを入れた箱に、鍵をかけるようなものです。ZIPそのものの基本は、ZIPファイルって何?圧縮・解凍の基本操作でご案内しています。

パスワード付きZIPで期待できるのは、次のような場面です。

  • メールに添付したファイルが、途中で第三者の目に触れても、パスワードが分からなければ、中身を見られにくい。
  • ファイルを入れたUSBメモリを、紛失したり、置き忘れたりしても、中身を見られにくい。
  • クラウドの置き場や、共有のフォルダーにファイルを置くとき、パスワードを知らない人が、中身を開けにくい。

一方で、パスワード付きZIPでは防げないこともあります。たとえば、宛先を間違えて送ってしまった場合、パスワードまで同じ相手に送ってしまえば、鍵の意味がなくなります。また、暗号化の方式が古かったり、パスワードが短かったりすると、破られてしまうおそれもあります。ウイルスを防ぐ仕組みでもありません。

つまり、パスワード付きZIPが役に立つかどうかは、「どの方式で作るか」「どんなパスワードにするか」「どうやって送るか」の3点で決まります。この記事も、この順番で進めていきます。

Windowsの標準機能では、パスワードを付けられません

Windowsには、ZIPを作る機能が、最初から入っています。ファイルを右クリックして、「ZIPファイルに圧縮する」(Windows 10では「送る」の中の「圧縮(zip形式)フォルダー」)を選ぶ方法です。ただ、この方法では、パスワードを設定する画面が出てきません。標準の機能だけでは、パスワード付きZIPを作ることができないのです。

さらに、Microsoft社のサポート情報には、Windows 11 バージョン24H2では、暗号化されたアーカイブ(パスワード付きのZIPなど)の操作に対応していない、という案内があります。作成や解凍が必要な場合は、7-ZipやWinRARなどの、他社のソフトを使うよう案内されています。以前のバージョンでは、パスワード付きZIPを標準機能で開けた場合もありますが、お使いのWindowsのバージョンによって、結果が変わる可能性があります。

そのため、パスワード付きZIPを使うには、作る側も、受け取る側も、対応したソフトが必要になる場合があります。ここでは、無料で広く使われている「7-Zip」を例にご紹介します。ソフトは、必ず公式サイトから入手してください。検索結果の広告などに、本物そっくりの偽サイトが紛れていることもあるため、サイトのアドレスをよく確かめてから、ダウンロードすることをおすすめします。偽サイトの見分け方は、その1通、本物ですか?フィッシングメール・詐欺サイトの見分け方でもご案内しています。

7-Zipでパスワード付きZIPを作る手順

7-Zipをインストールしたあとの手順は、次のとおりです。画面の名称は、7-Zipのバージョンや、言語の設定によって、少し異なる場合があります。

  1. パスワードを付けたいファイルやフォルダーを、エクスプローラーで選びます。複数あるときは、Ctrlキーを押しながらクリックすると、まとめて選べます。
  2. 選んだファイルの上で、右クリックします。Windows 11では、メニューの下のほうにある「その他のオプションを確認」を押すと、従来のメニューが表示されます。
  3. メニューの中の「7-Zip」から、「圧縮」または「アーカイブに追加」と表示されている項目を選びます。
  4. 表示された画面で、「アーカイブ形式」を「zip」にします。
  5. 右側の「暗号化」の欄に、パスワードを入力します。同じパスワードを、2回入力します。打ち間違いが心配なときは、「パスワードを表示する」にチェックを入れると、入力した文字を確かめられます。
  6. その下の「暗号化方式」を「AES-256」にします。
  7. 「OK」を押すと、元のファイルと同じ場所に、パスワード付きのZIPができます。
  8. 作ったZIPをダブルクリックして、パスワードを聞かれることと、正しいパスワードで中身が開くことを、一度、確かめます。

できあがったZIPとは別に、元のファイルも、そのまま残っています。元のファイルが不要な場合も、すぐに削除せず、相手に無事に届いて、開けることが分かってから、整理するようにすると安心です。また、パスワードを付けたZIPをメールに添付する場合は、メールソフトの添付の上限(容量の制限)にも、ご注意ください。メールの基本は、メールソフトとWebメールの違い、初めての基本でご案内しています。

暗号化方式は「AES-256」を選びます。ファイル名も隠すなら7z形式

手順の中で出てきた「暗号化方式」は、鍵のかけ方の種類を選ぶ項目です。7-ZipでZIPを作るときは、主に2つから選びます。

  • ZipCrypto:ZIPに古くからある暗号化の方式です。古いソフトでも開けますが、強度が低く、現在は推奨されないとされています。
  • AES-256:より新しく、強度の高い暗号化の方式です。基本は、こちらを選びます。

ただし、AES-256で作ったZIPは、受け取る側のソフトによっては、開けないことがあります。前の章でご紹介したとおり、Windowsの標準機能では、暗号化されたZIPを開けない場合もあります。相手が7-Zipなどのソフトを使えるかどうかを、送る前に確認しておくと、「開けません」というやり取りを減らせます。

もう1つ、見落としやすいのが、ファイル名です。ZIP形式では、パスワードを入力しなくても、ZIPの中に入っているファイルの名前が見えてしまう場合があります。たとえば、「◯◯様_健康診断結果.pdf」のような名前だと、中身を見られなくても、どんな情報が入っているのかは分かってしまいます。ファイル名も見られたくないときは、アーカイブ形式を「7z」にして、「ファイル名を暗号化する」にチェックを入れる方法があります。ただし、7z形式は、受け取る側にも、対応するソフトが必要です。

なお、同じ画面にある「圧縮レベル」は、ファイルを小さくする度合いを決める項目で、鍵の強さとは関係がありません。鍵の強さを決めるのは、暗号化方式と、パスワードの内容です。

「ソフトの入れ方が不安」「ZIPが開けない」というときは

7-Zipのような、新しいソフトを入れる作業は、「本物のサイトか分からない」「間違えて余計なものまで入れてしまいそう」と、不安に感じる方も多いと思います。都城でパソコンの設定やセキュリティについてお困りのときは、ご自身で何度もやり直す前に、当店までお気軽にご相談ください。ご状況をうかがって、必要な作業を、一緒に考えます。詳しくは、パソコン修理・サポートのページをご覧ください。

パスワードの決め方と、やってはいけないこと

AES-256を選んでも、パスワードが短かったり、推測しやすかったりすれば、鍵としての力は弱くなります。「AES-256にしたから安心」ではなく、パスワードの中身も、同じくらい大切です。次の点に気をつけてください。

  • 長めにします。一般に、文字数が多いほど、破られにくくなります。12文字以上を、ひとつの目安にしてください。
  • 推測されやすい言葉は避けます。名前、誕生日、電話番号、メールアドレス、「12345678」のような簡単な並びは、避けてください。
  • 他のサービスのパスワードを、使い回しません。ZIPのパスワードが、他の場所で使っているものと同じだと、どこかから漏れたときに、まとめて危険になります。考え方は、そのパスワード、使い回していませんか?今日からできる管理術でご案内しています。
  • 送るたびに、変えます。同じ相手でも、毎回違うパスワードにしておくと、1つが知られても、被害が広がりにくくなります。
  • ヒントを書かない。ZIPのファイル名やメールの本文に、「パスワードは誕生日」のようなヒントを書くと、鍵の意味が薄れます。

パスワードは、ZIPを作った人自身も、忘れてしまうことがあります。パスワードを忘れたZIPを開く方法は、基本的にありません。ほとんどの場合、中身を取り出すことは、難しくなります。送った相手に、ファイルを開けてもらうためにも、パスワードは、自分の控えとして、他の人の目につかない場所に、保管しておいてください。パソコンのメモ帳や、付箋に書いて、画面の横に貼っておくのは、おすすめできません。

送るときの注意① パスワードは、ZIPとは別の方法で伝える

パスワード付きZIPを送るときに、いちばん大切なのは、パスワードの伝え方です。ZIPを添付したメールの本文に、パスワードを書いてしまうと、箱の上に、鍵を貼り付けて送るのと同じです。ZIPを手に入れた人が、そのままパスワードも手に入れて、中身を開けてしまいます。

そこで、よく行われてきたのが、ZIPを添付したメールを送ったあとに、パスワードだけを、別のメールで送る方法です。この方法は、「PPAP」と呼ばれています。しかし、この方法にも、問題が指摘されています。

  • 2通とも、同じメールアカウント、同じ宛先に届くため、メールを盗み見られたときは、ZIPとパスワードの両方が、一度に手に入ってしまいます。
  • 宛先を間違えたときも、パスワードのメールも、同じ宛先に送ってしまうことが多く、誤送信を防げません。
  • パスワード付きのZIPは、メールの中のウイルスを調べる仕組みでも、中身を確認できません。そのため、ウイルスを隠して送る手口に、悪用されてきました。
  • 受け取る側は、2通のメールを見比べて、ZIPを開く手間が増えます。スマートフォンでは、開けないことも多くあります。

こうした理由から、2020年11月には、当時のデジタル改革担当大臣が、国の中央省庁では、PPAPをやめる方針を示しました。民間でも、パスワード付きZIPのメールを、受け取らない方針の企業が、出てきています。

パスワードを伝えるときは、ZIPを送った経路とは、別の方法を使うのが基本です。たとえば、電話で伝える、会ったときに直接伝える、メールとは別の連絡手段を使う、といった方法があります。特に大切なファイルのときは、電話や対面のように、誰に伝えているのかが確かな方法を選んでください。なお、SMSやメッセージアプリも、宛先の番号を間違えれば、別の人に届いてしまうため、番号の確認は欠かせません。

送るときの注意② 送る前に確認したいこと

ZIPが作れて、パスワードの伝え方も決まったら、送る前に、次の点を確かめておきましょう。ひとつずつ見ていけば、慌てずに済みます。

  1. 宛先は合っていますか?メールアドレスの打ち間違い、似た名前の宛先の選び間違いは、誤送信のよくある原因です。送信ボタンを押す前に、もう一度、宛先を声に出して読むくらいの気持ちで、確認してください。
  2. 相手は、パスワード付きZIPを受け取れますか?会社によっては、パスワード付きの添付ファイルを、自動で拒否したり、隔離したりする設定にしています。ウイルスの有無が調べられないためです。特に、お仕事の相手には、事前に確認しておくと確実です。
  3. 相手は、開ける環境ですか?AES-256のZIPは、対応するソフトが必要です。スマートフォンやタブレットでは、開けないこともあります。相手が使う機器とソフトを、あらかじめ聞いておきましょう。
  4. 入れたファイルは、必要なものだけですか?関係のない書類や、他の人の個人情報が混ざっていないか、ZIPを作る前に、フォルダーの中を見直します。
  5. 容量は、大丈夫ですか?メールに添付できる容量には、上限があります。大きすぎて届かない場合は、別の方法を検討します。
  6. パスワードを、控えましたか?自分の手元に、パスワードの控えがあることを、送る前に、もう一度確認してください。

お仕事で使う場合は、ご自身の会社や、取引先のルールが決まっていることもあります。ルールがあるときは、そちらを優先してください。個人のやり取りでは、家族や友人に写真や書類を送るときも、同じ考え方が使えます。

受け取るときの注意と、ZIP以外の渡し方

ここまでは、送る側のお話でした。受け取る側にも、気をつけたい点があります。パスワード付きZIPは、ウイルスを調べる仕組みをすり抜けやすいため、メールで届くウイルスの手口として、悪用されてきました。次のようなメールには、特に注意してください。

  • 心当たりのない相手から、パスワード付きのZIPが届いた。
  • メールの本文に、「パスワードは◯◯です。ZIPを開いてください」と書かれている。
  • 取引先や、知り合いを名乗っているが、いつもと文面や、送り主のアドレスが違う。
  • ZIPの中のファイルを開くよう、強く急かされる。

こうしたメールが届いたときは、ZIPを開く前に、送り主に電話などの別の方法で、確認してください。もし開いてしまったときは、慌ててファイルを実行せず、ネットワークから切り離して、ご相談ください。ZIPの中に入っていたファイルの種類を見分けるときは、拡張子って何?表示設定と見分け方の基本もご参考になります。メールによる脅しや、偽の警告については、「ウイルス感染」の警告メールは偽物?見分け方と対処でご案内しています。

ところで、ファイルを渡す方法は、パスワード付きZIPだけではありません。大きなファイルや、大切な書類は、次のような方法のほうが、向いている場合もあります。

  • クラウドストレージの共有リンク:ファイルをクラウドに置いて、そのリンクを相手に伝えます。サービスによっては、リンクの有効期限や、パスワード、閲覧できる人を、設定できます。リンクを送る宛先を間違えれば、同じ問題が起きるため、設定の内容は確認しておきましょう。クラウドの基本は、クラウドストレージって何?写真・データを守る基本のバックアップ知識でご案内しています。
  • USBメモリなどでの手渡し:直接会えるときは、確実な方法です。紛失に備えて、USBメモリの中のファイルにも、パスワードを付けておくと安心です。
  • 会社が用意した共有の仕組み:お仕事では、会社が決めたファイル共有のサービスがある場合があります。その場合は、そちらを使うのが基本です。

ファイルを送る場面に、「これが正解」という方法が、ひとつだけあるわけではありません。ファイルの大切さや、相手の環境、お互いの使えるソフトを見ながら、無理のない方法を選ぶことが、いちばんの近道です。迷ったときは、送る前にご相談ください。ウイルス対策の基本は、無料のウイルス対策だけで本当に大丈夫?有料セキュリティソフトとの違いでもご案内しています。

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▶ そのパスワード、使い回していませんか?今日からできる管理術――ZIPのパスワードの決め方に迷う方は、こちらもご参考にしてください。

▶ クラウドストレージって何?写真・データを守る基本のバックアップ知識――ZIP以外の渡し方や、保存の方法を知りたい方はこちらをどうぞ。

▶ 「ウイルス感染」の警告メールは偽物?見分け方と対処――怪しいメールが届いたときの見分け方は、こちらをご覧ください。

よくあるご質問

Q1. パスワード付きZIPは、Windowsの標準機能で作れますか?
A1. 標準のZIP機能には、パスワードを設定する項目がないため、作ることができません。7-Zipなど、他社のソフトを使う必要があります。また、Microsoft社のサポート情報では、Windows 11 バージョン24H2は、暗号化されたZIPの操作に対応していないと案内されています。

Q2. AES-256とZipCrypto、どちらを選べばいいですか?
A2. 基本は、AES-256をおすすめします。ZipCryptoは古い方式で、強度が低いとされています。ただし、AES-256のZIPは、受け取る側のソフトによっては開けない場合があります。事前に、相手の環境を確認しておくと安心です。

Q3. パスワードを忘れてしまいました。開けますか?
A3. 基本的に、パスワードを忘れたZIPを開く方法はありません。中身を取り出すことは、ほとんどの場合、難しくなります。ZIPを作るときは、パスワードの控えを、他の人の目につかない場所に、保管しておいてください。

Q4. パスワードは、同じメールに書いてもいいですか?
A4. おすすめしません。ZIPとパスワードが同じメールにあると、メールを見られたときに、両方を一度に知られてしまいます。電話で伝えるなど、ZIPを送ったのとは別の方法を使ってください。

Q5. スマートフォンでも開けますか?
A5. AES-256のZIPは、スマートフォンやタブレットでは、開けないことが多くあります。対応したアプリを入れれば開ける場合もありますが、機種やアプリによって異なります。相手がスマートフォンで受け取る場合は、あらかじめ確認しておきましょう。

Q6. ファイル名も隠せますか?
A6. ZIP形式では、パスワードを入力しなくても、ファイル名が見えてしまう場合があります。ファイル名も隠したいときは、7-Zipでアーカイブ形式を「7z」にして、「ファイル名を暗号化する」にチェックを入れる方法があります。ただし、受け取る側にも、7zに対応したソフトが必要です。

Q7. 取引先から、パスワード付きZIPを送らないでほしいと言われました。どうすればいいですか?
A7. 最近は、パスワード付きZIPの受け取りを、断っている会社もあります。その場合は、相手が指定する方法(共有のサービスなど)に合わせてください。指定がなければ、クラウドストレージの共有リンクなど、別の方法を相談してみましょう。

Q8. 相談だけでも大丈夫ですか?
A8. はい、大丈夫です。診断・お見積りは無料ですので、「7-Zipの入れ方が分からない」「ZIPが開けない」といった段階でも、お気軽にお電話ください。

パスワード付きZIPは、大切なファイルを送るときの、助けになる方法です。ただ、Windowsの標準機能では作れないこと、暗号化方式はAES-256を選ぶこと、パスワードは別の方法で伝えること、相手が受け取れる環境かを確かめることが、安心して使うためのポイントです。迷ったときは、クラウドの共有リンクなど、別の渡し方も、選択肢に入れてみてください。「ソフトの入れ方が分からない」「ZIPが開けない」「怪しいメールが届いた」というときは、都城市のパソコンサポーターゼットまで、お気軽にご相談ください。ご状況に合わせて、必要な作業を、ご案内します。料金は、パソコンサポート料金表でご確認いただけます。


2026.10.24 07:26

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