Secure Boot証明書が期限切れ。確認方法と注意点

ニュースやパソコンの画面で、「Secure Boot(セキュアブート)の証明書が期限切れになる」という話を、見かけた方もいるのではないでしょうか。「期限が切れたら、パソコンが起動しなくなるの?」と、不安になりますよね。

結論から言うと、証明書の期限が切れても、パソコンがすぐに起動できなくなるわけではありません。ただし、起動するときの安全を守る仕組みについて、これから先の更新が受け取れなくなる可能性があるため、一度、確認しておくと安心です。この記事では、Secure Bootの証明書更新とは何か、確認方法、更新の前後に気をつけたいことを、2026年10月時点の情報をもとに、まとめました。

Secure Bootとは?パソコンの起動を守る「関所」

Secure Bootとは、パソコンの電源を入れてから、Windowsが立ち上がるまでの間に、怪しいプログラムが動かないよう、チェックする仕組みです。起動の途中で動くプログラムには、「デジタル署名」という、作った会社を証明する印が付いています。パソコンの中には、その印が本物かどうかを確かめるための「証明書」が、あらかじめ入っています。いわば、起動のときに通る「関所」で、通行証をチェックしているようなものです。

この仕組みがあることで、Windowsよりも先に動いて、パソコンに居座るタイプのウイルス(ブートキットと呼ばれます)を、防ぎやすくなります。Windows 11の動作条件にも、Secure Bootに対応していることが、含まれています。

ところが、この証明書には、有効期限があります。現在、多くのパソコンに入っているのは、2011年に発行された証明書で、これが2026年に、期限を迎えます。そのため、Microsoftは、2023年に発行された新しい証明書への切り替えを、進めています。これが、「Secure Bootの証明書更新」です。

どの証明書が、いつ期限を迎えるのか

期限を迎える証明書は、3つあります。日付は、次のとおりです。

  • Microsoft Corporation KEK CA 2011:2026年6月24日。Secure Bootの「許可・拒否のリスト」を更新するときに、使われるものです。
  • Microsoft UEFI CA 2011:2026年6月27日。周辺機器まわりのプログラムなど、Windows以外の部品の署名に使われるものです。
  • Microsoft Windows Production PCA 2011:2026年10月19日。Windowsの起動プログラム(ブートマネージャー)の署名に使われるものです。

2026年10月下旬の時点では、3つとも、期限の日付を過ぎています。新しい2023年版の証明書は、Windows Updateを通じて、順に配られています。パソコンを購入した時期や、メーカーによって、すでに新しい証明書が入っている場合もあれば、これから切り替わる場合もあります。

期限が過ぎると、どうなる?

いちばん気になるのは、「パソコンが使えなくなるのでは」という点だと思います。Microsoftの案内や、各社の解説では、次のように説明されています。

  • 起動や、ふだんの使い方は、すぐには変わりません。期限が切れても、Windowsは起動しますし、Windows Updateも、引き続き届きます。
  • 影響が出るのは、「起動に関わる安全の更新」です。新しい証明書を受け取っていないと、これから先の、起動時の新しい保護機能や、起動まわりの脆弱性(弱点)の修正が、受け取れなくなる可能性があります。
  • 「期限切れ」は、「無効になる」こととは、別です。古い証明書が、すぐに使えなくなる予定は、現時点で公表されていません。将来、そうした措置をとる場合は、少なくとも6か月前に、公式に知らせるとされています。

つまり、「今すぐ困る」というよりも、「更新を受け取れる状態にしておくことが、大切」という話です。慌てて、BIOSの設定を変えたり、見慣れないソフトを入れたりする必要はありません。

自分のパソコンは大丈夫?確認方法

2026年4月以降のWindowsの更新で、「Windowsセキュリティ」から、Secure Bootの証明書の更新状況を、確認できるようになりました。次の順番で、見てみてください。

  1. スタートボタンを押して、「Windowsセキュリティ」を開きます。
  2. 「デバイス セキュリティ」を選びます。
  3. 「セキュア ブート」の項目を開き、バッジ(印)の色と、表示されているメッセージを確認します。
  4. あわせて、「Windowsキー」と「R」を同時に押して、「msinfo32」と入力し、Enterキーを押します。表示される「システム情報」の中の「セキュア ブートの状態」が、オン(有効)になっているかを、確認します。

ここで大切なのは、色だけで判断しないことです。Microsoftも、緑のチェックマークだけでは判断しきれないため、メッセージの内容も確認するよう、案内しています。また、会社や学校で管理されているパソコンでは、この表示が出ないことがあります。画面の名前や並び方は、Windowsのバージョンによって、異なる場合があります。

「うちのパソコンは、どうなっている?」と思ったら

「画面の見方が分からない」「黄色や赤の表示が出て、不安になった」といったときは、設定を変える前に、当店までお気軽にご相談ください。表示されている内容をうかがい、今のパソコンで、何を確認すればよいか、一緒に考えます。詳しくは、パソコン修理・サポートのページをご覧ください。作業内容ごとの料金は、パソコンサポート料金表に掲載しています。

表示別に見る。何をすればいい?

Windowsセキュリティの「セキュア ブート」に出る表示と、基本の対応を、Microsoftの案内をもとに整理します。

  • 緑のチェックマーク(更新済み):必要な更新は、すべて済んでいます。対応は不要です。ただし、メッセージの内容も、あわせて読んでおきましょう。
  • 「まだ更新されていない」という趣旨の表示:古い証明書で動いている状態です。Windows Updateで、自動的に新しくなる想定ですので、インターネットにつないで、最新の更新プログラムを入れます。
  • 黄色の感嘆符(注意):メッセージによって、対応が異なります。「古い起動の設定が使われている」という場合は、最新の更新を入れて、求められたら再起動します。「既知の問題の影響を受けている」という場合は、問題が解決されるのを待ちます(解決後は自動で再開されます)。「ハードウェアやファームウェアの制限で、対応していない」という場合は、パソコンのメーカーに、問い合わせます。
  • 赤いX(対応が必要):今の起動の設定では扱えない更新があるのに、新しい証明書を、まだ受け取れていない状態です。Microsoftの案内ページの手順に従うか、メーカーに問い合わせます。

表示を消す「無視」のボタンもありますが、まだ新しい証明書が届いていない場合は、無視しないことが、勧められています。無視すると、これから先の、起動に関するセキュリティ更新を、受け取れない可能性があるためです。

更新を進めるときの、基本の手順

家庭で使っているWindows 10・11のパソコンの多くは、特別な操作をしなくても、Windows Updateで、自動的に新しくなる想定です。ただ、自動で進むための条件が、そろっていないと、いつまでも切り替わらないことがあります。次の順番で、確認してみてください。

  1. Windowsが、サポート中のバージョンかを、確認します。サポートが終わったバージョンは、更新が届かなくなります。Windows 11のバージョンごとの期限は、Windows 11 24H2のサポート終了。更新方法でご案内しています。
  2. Windows Updateが、一時停止になっていないかを、確認します。最新の更新プログラムを入れて、再起動します。更新が止まってしまうときは、Windows Updateが終わらない・止まる、そんな時の対処法も参考になります。
  3. 「msinfo32」で、Secure Bootが、オンになっているかを確認します。オフの場合は、メーカーの案内を確認する前に、設定を変えないでください。
  4. 更新が反映されるまで、少し待ちます。切り替えは、再起動をはさみながら進むため、数日かかる場合があります。
  5. それでも「まだ更新されていない」、または黄色・赤の表示のままのときは、パソコンのメーカーのサイトで、BIOS(UEFI)の更新が案内されていないかを、確認します。

Windows 10をお使いの場合は、注意が必要です。Windows 10のサポートは、2025年10月14日に終了していて、更新を受け取り続けるには、ESU(拡張セキュリティ更新プログラム)への登録が必要です。Microsoftの案内でも、Windows 10は、ESUがないと、Secure Bootの更新を受け取れないとされています。ESUの内容や期限は、Windows10のサポートはいつまで?延長されたESUとはでご案内しています。

更新の前後に、気をつけたいこと

証明書の更新は、パソコンの起動に関わる部分に触れるため、いくつか、気をつけておきたい点があります。

  • BitLockerの回復キーを、控えておきます。更新のあとに、BitLockerの回復画面が出て、48桁の回復キーを求められる場合があると、Microsoftは案内しています。回復キーが分からないと、Windowsが開けなくなるおそれがあります。確認の方法や、求められたときの対処は、お盆前に要注意!Windows Update後にBitLocker回復キーを求められたときの対処法でご案内しています。
  • 大切なデータは、バックアップしておきます。BIOSの更新などを行う前には、念のため、写真や書類を、別の場所にも、コピーしておくと安心です。
  • Secure Bootを、むやみにオフにしません。オフにすると、起動時の保護が外れてしまいます。「ゲームやアプリから、オフにするよう求められた」という場合も、慌てず、よく確認してから判断してください。
  • BIOSの更新は、慎重に行います。更新の途中で、電源が切れたり、手順を間違えたりすると、パソコンが起動しなくなるおそれがあります。不安なときは、作業の前に、ご相談ください。
  • 「証明書の期限切れ」を口実にした、偽の警告に注意します。画面に突然、「証明書が切れた」と表示して、電話番号に連絡させたり、ソフトを入れさせたりする場合は、サポート詐欺の可能性があります。更新は、Windows UpdateやWindowsセキュリティの画面から行うのが基本です。見分け方は、「サポート詐欺」に注意!偽のウイルス警告が出たときの正しい対処法をご覧ください。

更新のあとに、「Windowsが起動しない」「見慣れない青い画面や、回復の画面が出た」といったことがあった場合は、焦って設定を変えたり、何度も電源を入れ直したりせず、画面の表示を、スマートフォンなどで撮影しておいてください。起動しないときの確認事項は、パソコンが起動しない・電源が入らない…確認すべき7つの原因と対処法でも、ご案内しています。

古いパソコンや、更新できない場合は?

すべてのパソコンが、問題なく新しい証明書に切り替わるとは、限りません。次のようなパソコンでは、自動で更新されない可能性があります。

  • 発売から年数がたっていて、メーカーが、新しい証明書に対応したBIOSを、提供していないパソコン。メーカーによっては、古い機種を、更新の対象外としている場合があります。
  • サポートが終わったバージョンのWindowsを使っているパソコン、またはESUに登録していないWindows 10のパソコン。
  • Windows Updateを、長い間止めているパソコン。
  • Windows 11の動作条件を満たすために、Secure Bootをオフにしたまま、使っているパソコン。
  • 会社や学校で管理されているパソコン。管理者の方針に従うため、ご自身では、設定が完結しない場合があります。

なお、Secure Bootがオフで、これからもオンにする予定がない場合は、今すぐ対応が必要なものではない、とMicrosoftは案内しています。ただし、その場合は、起動時の保護が働いていない状態です。

更新できなかったからといって、すぐにパソコンが使えなくなるわけではありません。ただ、起動に関わる新しい保護を受け取れない状態が、続くことになります。そのため、メーカーの対応や、ご自身のパソコンの使い方を踏まえて、「このまま使い続けるか」「買い替えを考えるか」を、少しずつ、考えておくと安心です。判断の目安は、そのパソコン、まだ使えます?買い替えのタイミングを見極める7つの目安や、Windows 11に対応していないと言われたら?買い替え以外の選択肢でご案内しています。ウイルス対策ソフトを入れて、最新の状態に保つことも、あわせて大切です。

会社のパソコンについては、台数が多いほど、状況の確認が大変になります。当店では、都城市を中心に、法人様・個人事業主様向けのサポートも行っています。詳しくは、法人向けサポートのページをご覧ください。

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よくあるご質問

Q1. Secure Bootの証明書の期限が切れたら、パソコンは起動しなくなりますか?
A1. いいえ、期限が切れただけで、すぐに起動しなくなるわけではありません。Microsoftの案内でも、期限が切れても、Windowsの起動や、Windows Updateは続くとされています。影響が出るのは、起動に関わる、これから先の新しい保護や、脆弱性の修正が、受け取れなくなる可能性がある点です。

Q2. 自分で何か操作をしないといけませんか?
A2. 家庭で使っているパソコンの多くは、Windows Updateで、自動的に新しい証明書へ切り替わる想定です。最新の更新を入れて、再起動し、Windowsセキュリティの「デバイス セキュリティ」で、「セキュア ブート」の状態を確認するのが、基本の流れです。黄色や赤の表示が続くときは、メーカーのBIOS更新などが、必要な場合があります。

Q3. 更新されていないと、Windows Updateも届かなくなりますか?
A3. 通常のWindows Updateは、引き続き届きます。ただし、新しい証明書が必要な、起動まわりのセキュリティの更新は、受け取れなくなる可能性があります。

Q4. Windows 10でも、更新されますか?
A4. Windows 10のサポートは、2025年10月14日に終了しています。Microsoftの案内では、Secure Bootの更新を受け取るには、ESUへの登録が必要とされています。ESUに登録していないWindows 10のパソコンは、更新が届かない可能性があります。

Q5. 更新のあとに、BitLockerの回復キーを求められたら、どうすればいいですか?
A5. Microsoftは、更新のあとに、BitLockerの回復画面が出て、48桁の回復キーを求められる場合があると案内しています。回復キーは、Microsoftアカウントなどに保管されていることがあります。キーが分からないまま、入力を繰り返したり、初期化したりするのは避けて、先にご相談ください。

Q6. Secure Bootを、オフにしておけば、関係ありませんか?
A6. Secure Bootがオフで、これからもオンにしない場合は、今すぐ対応が必要なものではないと、Microsoftは案内しています。ただし、起動時の保護が働いていない状態ですので、おすすめはしません。オンに戻す場合は、パソコンによって手順が異なりますので、メーカーの案内をご確認ください。

Q7. Windowsセキュリティの表示が、緑のチェックマークなら、完全に大丈夫ですか?
A7. 緑のチェックマークだけでは、判断しきれないと、Microsoftは案内しています。同時に表示されているメッセージの内容も、確認してください。表示の意味が分からないときは、画面を撮影して、ご相談ください。

Q8. 相談だけでも大丈夫ですか?
A8. はい、大丈夫です。診断・お見積りは無料ですので、「表示の見方が分からない」「更新して大丈夫か不安」といった段階でも、お気軽にお電話ください。

Secure Bootの証明書の更新は、パソコンの起動を守る仕組みを、これからも新しい状態に保つための、切り替えです。期限が切れても、すぐにパソコンが使えなくなるわけではありませんが、更新を受け取れる状態にしておくことが、大切です。まずは、Windowsセキュリティの「デバイス セキュリティ」で、「セキュア ブート」の表示とメッセージを、確認してみてください。更新を始める前には、BitLockerの回復キーを控え、大切なデータのバックアップも、取っておくと安心です。表示の見方や、更新の進め方に迷うときは、都城市のパソコンサポーターゼットまで、お気軽にご相談ください。


2026.10.23 08:30

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